中国河南省と山西省の史跡を巡る 始めに

9月6日(土)~9月18日(木)の約2週間、中国の河南省と山西省を旅行してきました。河南省とか山西省とか言われても、多くの日本人にとって、北京や上海、西安などに比べると馴染みが薄く、そもそもどこにあるのかすらピンとこないのが実際のところかと思います。以前の私もそうでした。河南省を中心とする一帯は「中原」と呼ばれ、中国文明が発祥した長い歴史を持つ地域であり、歴代の勢力はこの地を巡って幾多の争いをしました。省都の鄭州は観光面の魅力は薄いものの、近くには歴代王朝の都が置かれた洛陽や開封、中国最古の王朝とされる殷墟のあった安陽など、魅力のある観光名所が集まっています。もう一つの山西省ですが、春秋時代は晋と呼ばれた地域であり、南北朝時代は北魏の首都が置かれた場所でもあり、これらに関連する歴史的建築物が残っています。中でも、平遥古城と雲崗石窟は世界中から多くの観光客を集める屈指の観光名所となっています。

中国へノービザで渡航できるようになって間もなくの3月に、上海や蘇州、南京、杭州といった江南地方を旅行したばかりではありますが、この有効期限が12月末とされており、来年度も延長されるか不透明な状況なので、とりあえずもう1回ぐらい行っておこうという気分だったので計画を立てました。

地球の歩き方でもこれら2つの省については、最低限度の情報が記載されているのみで、インターネット上の日本語情報も少なく、当初は事前の情報収集に苦労しました。折良く、「rednote(小紅書)」と呼ばれるSNSアプリを見つけてからは、中国語ベースではありますが、現地の情報が容易に取れるようになりました。これのおかげもあって、WeChatが使えないという別のトラブルが発生したものの、全体としては大きく困ることはありませんでした。

また、航空券を買った後に気づいたのですが、この時期、中国では反日感情が高まる時期であり、特に9月3日の抗日戦争勝利記念日、9月18日の柳条湖事件(満州事変)勃発の日は危険日とされ、日本人と分かる行動は控えるように注意喚起がされています。直前、外務省からの注意喚起の報道もあり、若干緊張しながらの出発となりましたが、幸いにもトラブルに巻き込まれることなく、最後まで楽しく過ごすことができました。現地の皆さんは親切で、不愉快な思いをすることもほぼ皆無でした。

今回の旅行では、安陽の殷墟、平遥古城、大同の雲崗石窟を観光するのが大きな目的としてあったのですが、中でも雲崗石窟は評判に違わぬ良さで、想像以上に見ごたえがありました。殷墟は良くも悪くも想定通り、平遥古城は思ったよりも観光地化してしまったという印象があります。江南の各都市に比べると、交通の便は良くなく、移動にはやや難がありましたが、タクシーを利用することで何とか乗り切りました。相変わらず、グルメやショッピングの類には興味がなく、あまり下調べもせず、適当に河南省の名物「烩面」や山西省の「刀削麺」、「牛肉(香草肉)」などを口にしましたが、いずれも美味しく頂けたので満足しています。

約10年前に初めての中国旅行で北京を旅行した時には、北京や西安の有名都市ぐらいしか知らなかった自分が、まさかこのような若干マイナーな地域を自力で旅行することになるとは夢にも思っていませんでした。この間、中国は大きく発展し、公共交通機関をはじめ見違えるほど便利になりました。地図アプリや配車アプリ、翻訳アプリなどにより、旅行は格段に容易となりました。中国の歴史や文化に対する理解も大分深まりました。まだ海外旅行自体に慣れていなかった当時、簡単な移動一つとっても苦労していたのを思い出すと感慨深いものがあり、時代の変化、そして年齢を重ねた自身の変化を実感できた旅行となりました。

河南省と山西省について

黄河の中下流域である河南省を中心とする一帯は「中原」と呼ばれ、中国の中でも最も歴史のある地域です。省都の鄭州から北に約100kmにある安陽は、中国最古の王朝とされる殷(別名:商)の都が置かれた場所であり、多数の甲骨や青銅器が発掘され、これらは殷墟博物館などに展示されています。今回は観光しませんでしたが、歴代の王朝が置かれた洛陽や開封、三国時代の魏に関連する史跡など多くの観光名所が集まっています。

河南省の西に隣接する山西省は、春秋時代は晋と呼ばれた地域であり、晋国の始祖「唐叔虞」を祀る晋祠が有名です。五胡十六国時代、南北朝時代は都が置かれた場所でもあります。南北朝時代に鮮卑族の拓跋氏によって建てられた北魏は、仏教を篤く信仰したことが知られており、雲崗石窟のほか、歴史的価値のある寺院が点在しています。また、省都太原から南に約100kmの地点にある平遥古城は中国4大古城の一つとされ、明から清代にかけて金融の中心地として栄えた場所であり、保存状態の良い街並みと城壁が残っています。

概要

日本からの往路は、河南省の省都、鄭州にある鄭州新鄭国際空港から入国し、復路は首都北京の大興国際空港から帰国しました。鄭州、安陽に滞在した後、山西省の平遥古城に向かいます。その後は、省都太原、雲崗石窟のある大同の順に北上し、八達嶺長城に寄り道しながら最後は北京に移動しました。都市間の移動は高速鉄道を利用しました。各都市ではできる限り、地下鉄やバスを利用しましたが、難しい場合はタクシーを利用しました。特に、平遥古城と大同の郊外を観光する際は、タクシーをチャーターしました。

日程

鄭州と安陽は急ぎ気味に観光したのち、山西省の3都市ではゆっくり過ごしました。北京は2回目の訪問となりますが、少し観光したかったので2泊割り当てています。

日付 スケジュール 宿泊先
9/6(土) 成田 ⇒ 鄭州(中国南方航空) 怡伴灣ホテル(鄭州二七広場丹尼斯大衛城)
9/7(日) 鄭州 ⇒ 安陽(高速鉄道) ジェームズ ジョイス コフィテルホテル
(安陽中國文字博物館)
9/8(月) 安陽 ⇒ 平遥古城(高速鉄道) 平遥杜門甲第中国式旅館(平遥古城観光地)
9/9(火) 平遥古城観光
9/10(水) 平遥古城観光
9/11(木) 平遥古城 ⇒ 太原(高速鉄道) 山西省華苑ホテル(太原站西広場地下鉄駅)
9/12(金) 太原観光
9/13(土) 太原 ⇒ 大同(高速鉄道) 琵琶老店中国式旅館(大同古城牆華嚴寺)
9/14(日) 大同観光
9/15(月) 大同観光
9/16(火) 大同 ⇒ 北京(高速鉄道) ホーム インホテル·neo(北京南駅草橋地下鉄駅)
9/17(水) 北京観光
9/18(木) 北京(大興) ⇒ 羽田   

旅行の準備

航空券

日本⇔中国の移動は、中国南方航空を利用しました。今回はオフシーズンではなかったのと、購入したタイミングもあまり良くなかったので、往復諸税込みで58,770円と、これまでに比べると若干高額となりましたが、往復で直行便を利用でき、且つ東京での前泊や後泊の必要がなく移動ができたので、十分許容範囲かと思います。

都市間の移動

都市間の移動は高速鉄道を利用しました。予約はTrip.comで行い、鄭州⇒安陽(2等、約170km)が約2,300円、安陽⇒平遥古城(1等、約530km)が約7,600円、平遥古城⇒太原(2等、約100km)が約800円、太原⇒大同(2等、約260km)が約3,700円、大同⇒八達嶺長城(1等、約280km)が約4,800円、八達嶺長城⇒清河(2等、約50km)が約600円となりました。いずれの便も遅延が無く、快適に利用できました。長距離の便については1等席を利用したのですが、料金を上乗せして利用する価値はあると実感しました。

ホテル

ホテルは全てTrip.comで予約しました。中国のホテルには、外国人が利用できないものがあります。Trip.comで予約できるホテルは、基本的には外国人の宿泊がOKですが、今回、直前になって外国人が宿泊不可に変更されたホテルもあったので注意が必要です。私はたまたま気づいたので良かったのですが、現地に行ってから宿泊を拒否されると、代わりのホテルを探す手間や、そもそも気分的にもよろしくないので、数日前ぐらいに再度確認した方が良いと思います。

都市名 ホテル名 概要
鄭州  怡伴灣ホテル(鄭州二七広場丹尼斯大衛城) クイーンルーム、1泊朝食付きで、約5,100円。地下鉄駅から近く、周囲にはレストランやコンビニが充実している。
安陽  ジェームズ ジョイス コフィテルホテル
(安陽中國文字博物館)
ダブルルーム、1泊朝食付きで、約5,300円。文字博物館が徒歩圏内、周囲にはレストランやコンビニあり。
平遥古城 平遥杜門甲第中国式旅館(平遥古城観光地) ダブルルーム、3泊朝食付きで、約11,000円。平遥古城内にあり、観光に便利な立地。オーナーとは英語で疎通可能。
太原 山西省華苑ホテル(太原站西広場地下鉄駅) シングルルーム、2泊朝食無しで、約5,500円。太原駅から徒歩5分、地下鉄駅、バス停が近く、大変便利な立地。スタッフの対応は最悪だった(ドハズレを引いた)。
大同 琵琶老店中国式旅館(大同古城牆華嚴寺) ツインルーム、3泊朝食付きで約18,500円。大同古城の中心に位置し、観光に便利な立地。英語の通じるスタッフがいる。部屋は広く、清潔、ウォシュレット付き。
北京 ホーム インホテル·neo(北京南駅草橋地下鉄駅) シングルルーム、2泊朝食無しで9,100円。早朝の北京大興空港への移動が可能な場所にあり、周囲にはレストランやコンビニもある便利な立地。日中エレベータの利用は不可。部屋は狭いが許容範囲。

その他

ガイドブック

いつもお世話になっている地球の歩き方シリーズですが、河南省と山西省を扱っているのは「地球の歩き方 中国」のみで、これら2つの省に割かれているページは多くなく、さらに最新版は2019年~20年と情報が古く、これを頼りに旅行するのは厳しいものがあります。インターネット上にも日本語の情報は少なく、事前の情報収集には苦労しましたが、「rednote(小紅書)」と呼ばれるSNSアプリを見つけてからは、専らこちらをガイドブック代わりに利用していました。

インターネットの制約について

御存知の通り、中国ではGoogleマップやGmail、Youtubeが利用できません。回避方法はあるのですが、仮に利用できたとしてもGoogleマップは精度が悪く、中国製の地図アプリの利用が必須です。前回と同様、アリペイ、WeChatの決済アプリは必須で、地図アプリの高徳地図、百度地図、翻訳ソフト辺りを入れておけば事足りますが、今回はこれに加え「rednote(小紅書)」というSNSアプリを入れて行きました。これは中国版Instagramと呼ばれているSNSアプリで、旅行に限らず様々な情報が集約されています。情報は玉石混合で、真偽の怪しいものもありますが、普通に旅行する分には十分使えます。中国語ベースの情報なので、翻訳しながら読むなど可読性にはやや難がありますが、現地では大変重宝しました。正直、これを参照していれば、もう地球の歩き方はいらないなと思える使い勝手の良さでした。

SIM

前回と同様、中国の通信サービス会社「チャイナユニコムジャパン」が販売する「チョコSIM」を利用しました。こちらのSIMは中国の電話番号付きなので、中国国内でのSNS認証が使えるようになります。何ヵ所かQRコードからインターネット接続できない観光名所や飲食店がありましたが、基本的にはどこでも高速に繋がりました。

両替

前回の江南地方の旅行の際に両替した人民元が残っていたので、こちらを持っていきました。今回は、大同のバスを利用する際は、外国人はアリペイのQR決済ができず、現金が必要となりました。それ以外については、全てアリペイの決済で事足りました。

海外旅行保険

中国では治安や衛生面の不安は全くありませんが、一応海外旅行保険には入っておきました。

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