2025年3月11日(火) 9日目
最後の杭州滞在
杭州での滞在もあっという間に終わってしまいました。西湖を一周するという最大の目的は達成できたものの、他の観光名所については、数えるほどしか回ることができず、3泊4日では全然足りなかったのが正直なところです。今日は、これから水郷古鎮の鳥鎮に向かいます。
今朝は南京のホテルでも頂いた、黄色いお粥(小米)をメインに頂きました。ほんのりとした甘みと、柔らかい食感が良く、美味しく頂くことができました。おかずについては特に変わり映え無く、不足しがちな野菜を多めに頂きました。
◆朝食
ホテルをチェックインするまで、1時間ほど余裕があったので、最後にもう一度西湖を眺めに行ってきました。ホテルから歩いてすぐの場所にあるため、気軽に行けるのが助かります。
8時前後のタイミングでしたが、ホテル周辺は人影が少なく静かでした。早朝、機械による清掃が行われているようで、昨日同様、通りは塵一つなく綺麗に掃き清められています。日中、大変な賑わいを見せていた東坡路も静まり返っています。
◆東坡路
西湖は今日も霧が覆っており、幻想的な景観になっていました。西湖のブランドイメージに引きずられているだけかもしれませんが、評判に違わない素晴らしい湖でした。
◆西湖
烏鎮へ
江南には、豊かな水源によって形成された町、水郷古鎮がいくつもあります。風情のある古い街並みが残り、国内外から多くの人々を引き寄せる人気の観光スポットになっています。
今回の旅行では、どこか1ヵ所の水郷古鎮には行きたいと考えており、その中でも、昔から頭の片隅にあった「烏鎮(乌镇)」に行くことにしました。ただし、烏鎮については、アクセス方法など分からない点が多く、果たして無事に辿り着けるか一抹の不安がありました。まあ、全く持って杞憂だったんですが。。。
烏鎮は浙江省北部の桐郷市にあり、上海と杭州のちょうど中間点に位置します。移動方法はいくつかあり、乗り換えを少なくしたい場合は、杭州東駅から出発する長距離バスを利用するのが一番効率が良いのですが、事前に予約する方法が分からず、当日に窓口で乗車券を購入するのも嫌だったので、確実に予約ができる高速鉄道をメインに据えました。高速鉄道で杭州東駅から桐郷駅に移動し、桐郷駅からは現地の市営バスで烏鎮へ移動する流れとなります。こちらの方法はバスを乗り継ぐ必要があり、待ち時間などを考えると効率はあまり良くありません。
9時にホテルをチェックアウトして、地下鉄1号線で杭州東駅まで移動しました(約25分)。南京駅での教訓が役に立ち、今回は迷うことなく入口に辿り着けました。
以前、紹介した通り、杭州東駅は15面30駅という中国でも最大規模の駅であり、これに伴い待合室も巨大な建物となっています。あまりにも広くて、見学がてら奥の方に行く気すら起きません。
ひとまず、電子掲示板を眺めて、これから乗車する列車の運行が時刻通りであるこを確認しました。今回も、こちらに来てから初めて、この列車が温州南駅を出発して、連雲港駅という海岸近くにある都市まで行く便であることを知りました。桐郷駅は比較的小さい駅ですが、杭州東駅から乗車した場合、1時間に2本程度停車する便があるので、当日でも予約できる状況でした。
◆杭州東駅構内
■10:30 改札
改札は比較的空いていました。パスポートにより改札を済ませ、プラットホームに降りた後は列車の到着を待ちます。
■10:43 高速列車出発
予定通り列車は出発しました。車内は満席でした。今回の車内は団体のツアー客がいるようで、大変賑やかで食べ物の匂いも漂っていました。次の停車駅が桐郷駅なので、座って落ち着く間もなく到着してしまいました。小さい駅ではありますが、降車するお客さんは多く、烏鎮観光と思われる観光客の姿が目立ちました。
■11:00 桐郷(桐乡)駅到着
桐郷駅から烏鎮までは市営バスを利用します。
桐郷駅を出ると、まず右側にタクシー乗り場への通路がありました。中国語でタクシーを意味する「出租车」と書いてあります。その一つ奥がバス停のエリアになっていました。
◆タクシー乗車場所に続く通路
バス停もいくつかあるのですが、一番手前側(駅側)の右奥にあります。奥に見える緑色の案内に「烏鎮方向」と書かれています。私のように初めて市営バスを利用する観光客が多いからでしょうか、バス停までの導線は分かりやすくなっていました。
◆鳥鎮行きバス停
奥の方は待合室になっていました。おそらく同じ列車に乗っていただろうお客さんが何名もいました。烏鎮行きのバスは、昼間はK281路とK282路の2つの路線があり、夜のみ運行しているバスもあります。地図アプリなどで確認すると、K281路とK282路は、途中に停車するバス停が若干異なるだけで、基本的には同じ路線と考えても良さそうです。この2路線で考えると、日中はそこそこの便数があり、例えば今回のように11時台だと約20分間隔で運行しています。
◆烏鎮行きバスの時刻表
今回事前に分からなかった鳥鎮行きバスの利用方法(決済手段)ですが、待合室に案内があったのであっさり解決しました。アリペイから桐郷市の交通カード「桐乡公交一卡通」のミニプログラムをダウンロードすることで、QR決済での乗車が可能となります。ちなみに、こちらのミニプログラムを検索する場合は、「桐郷市」ではなく「嘉興市」で検索すると見つかります。中国の自治体の構造が良く分からないのですが、鳥鎮は桐郷市に属しており、さらに桐郷市は嘉興市に属していることによります。桐郷市と検索してもヒットしません。
◆桐郷市交通カード(桐乡公交一卡通)の案内
■11:20 K282路出発
出発予定時刻の少し前にバスがやって来ました。今回乗車するのはK282路の方で、料金は2元(約45円)です。最悪、QR決済ができなくても現金で何とか乗車できるだろうとは思っていたのですが、誰1人として現金で払うお客さんはいませんでした。結構年配の女性も普通にスマートフォンを使っていて、恐ろしいほどキャッシュレスが徹底されています。今回の旅行では、初めてのバス利用となりましたが、先述した通り、設定が済んでいたので問題なくQR決済ができました。何名かがQR決済できなくて、読み取り機の前でスマートフォンと格闘していましたが、運転手さんは気にせず出発してしまいました。料金はどこで乗っても一律料金のようで、出発後に決済してもOKのようでした。この辺りが、厳しいようで、案外緩いところもある中国らしさが出ていて、面白かったです。また、現地の方々にとってもこの手の操作はそれなりに難しいことも分かりました。
お客さんが結構多かったのですが、運よく最前列の席だけ空いていたので座ることができました。このバスには1時間以上は乗車するので、座れるか座れないかの差は結構大きく、この点もこの行き方が万人にオススメできない理由でもあります。
鳥鎮は桐郷駅から北に約25kmの場所にあり、まだそこそこの距離があります。また、このバスの目的地は鳥鎮バスターミナルで、そこからさらに1本乗り継ぐ必要があります。
バスは出発後、ひたすら北に向かって進みました。道路は片側3車線もあり、無駄に広くて直線的だったので、最近開発が進んだ地域のように見受けられました。途中、特に見どころのある景観はなかったのですが、今回の旅行で初めてのバス利用であり、初めて訪問する都市だったこともあり、何を見ても新鮮だったので楽しく過ごせました。運転手さんは田舎のおっちゃんという感じの方で、顔なじみの地元のお客さんも多いようで、大声で会話のやり取りがあったりと和気あいあいとした雰囲気でした。
◆バス車内からの景観
この辺りは田舎だと思っていたのですが、中心部は大きな商業ビルも並んでおり、思った以上の都会でした。調べて見ると人口は約66万人と、中国では小さい一都市なのかもしれませんが、日本であれば県庁所在地レベルの大きさです。この付近では、地元のお客さんの乗り降りが頻繁にありました。
◆桐郷市中心部
■12:30 鳥鎮バスターミナル到着
地図アプリには、バスの所要時間は約1時間半と表示されており、実際はもっと早く着くだろうとタカをくくっていたのですが、本当に1時間半掛かりました。車内にはトイレはないので、乗車前にはちゃんと済ましておいた方が良いと思います。
バスターミナルの建物はそれほど大きくなく、同じ建物の中で市営バスと長距離バスの待合室が区切られていました。一緒に乗ってきた観光客の皆さん以外には、お客さんの姿はなく閑散としていました。
◆鳥鎮バスターミナル外観
鳥鎮には「西柵景区」と「東柵景区」の2つの景区があり、これらとバスターミナルを結ぶK350路のバスが日中は約20分間隔で運行しています。メインとなるのは西柵景区で、今晩宿泊する民宿も西柵景区内にあります。
K350路のバス乗り場はすぐ見つかりました。利用客が多いからでしょうか、この路線だけ建物の外に乗車用の専用スペースが設けられていました。
◆K350路のバス乗り場案内
◆K350路バス乗り場
◆K350路インフォメーション
バスに乗る前に、帰りのバス(桐郷駅行き)の乗車場所と時刻表を確認しておきました。また、別の建物にある長距離バスのチケット売り場も行ってみたのですが、時刻表らしきものが見当たらず収穫がありませんでした。トイレにも寄って、再びバス乗り場に戻ると、先ほど同乗していた方々の姿はありませんでした。1本前のバスで既に行ってしまったようです。間もなくすると、次のバスがやって来ました。
■12:40 K350路出発
乗客は私ともう一人だけでした。バスターミナルを出た後は、先に東柵景区のバス停があり、2ヵ所別のバス停を挟んで西柵景区という順番でした。途中のバス停では誰も乗降することなく、約10分で鳥鎮西柵景区に到着しました。
鳥鎮西柵景区
チェックイン手続き
■12:50 鳥鎮西柵景区到着
バスが停車した場所は、小規模ながらもバスターミナルとしての機能を持っているようで、待合スペースのほか、長距離バスのチケット売り場がありました。わざわざ鳥鎮バスターミナルを経由しなくても、ここから直接上海や杭州、蘇州行きの長距離バスに乗ることが可能です。杭州蕭山空港行きのバスもありました。なお、ここから東柵景区に行く手段として、今ほど利用したK350路のほかにも、無料のシャトルバスがあり、こちらの乗降地点にもなっています。
◆バスターミナルの様子
◆長距離バス時刻表
バスターミナルの目の前には、鳥鎮西柵景区の入口となる「鳥青玉秀」と刻まれた牌坊がありました。鳥鎮は、元々鳥鎮と青鎮の二つの鎮に分かれていたのが、1950年に合併して鳥鎮となった経緯があり、鳥青は鳥鎮を指す言葉となっています。玉秀は霊的で美しい景色であることを意味するようです。
鳥鎮は1300年以上の歴史を持つ古鎮であり、桐郷市の北端、肥沃な杭嘉湖平原の中心に位置する、水上交通の要所でありました。十字型の内陸河川により、古鎮は4つの区画に分かれ、地元の人々はそれぞれ東柵、南柵、西柵、北柵と呼んでいました。南柵と北柵は無料で開放されていますが、見どころは少なく、地元の方々の居住する場所となっています。清代末から養蚕業や醸造業が発展し、今でも創業100年以上の老舗商店や工房が残っています。
◆鳥青玉秀と刻まれた牌坊
牌坊の先には、観光サービスセンターがあります。通常の一般観光客向けのチケット売り場のほか、景区内の宿泊施設専用のチェックイン窓口があります。景区内で宿泊する場合は、こちらでチェックインの手続きを済ましたうえで、荷物を預け、景区に入場する流れになります。建物の中には、コンビニやスターバックスなどの商業施設もありました。
◆観光サービスセンター
建物は、鳥鎮のシンボルカラーにもなっている、黒色の木材を使った落ち着きのある内装でした。
◆建物の中の様子
景区内の宿泊施設は、1泊数千円の民宿から数万円の高級ホテルまで様々なグレードがあり、チェックインはすべてこちらの窓口で行っています。お客さんもそこそこいましたが、スタッフの数も多く、待つことなく手続きに進めました。
◆宿泊客受付窓口
対応してくれた女性スタッフとは英語でやり取りができました。多くの外国人観光客も訪れる観光名所なので、英語で疎通できるスタッフを何名か配置しているようです。中国に入国してから9日目になりますが、ここに来て初めて英語を使う機会に恵まれました。片言の中国語に比べると、圧倒的にやり取りが楽ですw
今回、私が予約したのはリーズナブルに利用できる「鳥鎮民宿」で、trip.comで予約しました。チェックインに合わせて、景区への入場料を支払う必要があります。西柵景区が120元(約2,700円)、東柵景区が100元(2,200円)、両方を観光できるコンビネーションチケットは150元(約3,300円)となります。当初は、東柵の方にも行ってみようと思っていたのですが、旅行も終盤になってくると、観光意欲も多少薄れてきてたので、ひとまず西柵のみのチケットを購入しました。西柵のみでも安くはありませんが、今回のように景区内に宿泊する場合は、翌日の12時まで滞在できるので、十分に元が取れると思います。なお、民宿に入れるのは15時過ぎからです。
ちなみに、東柵の方は、西柵ほど観光地化されておらず、現地で生活している方々の日常に触れることができると評価されており、昔のままの姿を見たいのであれば東柵がオススメです。
最後に、顔認証用の撮影を行って全ての手続きが完了です。次に、隣のカウンターで荷物を預けました。荷物は宿泊する民宿まで運んでくれます。
これ以上、ここですることは無くなったので、早速に景区に入ります。宿泊客は顔認証による入出が可能です。今となっては顔認証はそれほど難しい技術ではないのですが、日本の観光施設ではあまり見かけないので、中国のハイテク技術を取り入れる速さには驚くばかりです。
◆入場ゲート
景区内を散策
民宿に入れる15時まで約1時間半があったので、ひとまず景区内を散策することにしました。入場ゲートを抜けた先には船着き場があり、ここから出発する小舟に乗って、景区内に数ヵ所ある船着き場まで移動することができます。私は入口からゆっくり歩いてみたかったので、そのまま遊歩道を進みました。
西柵景区は、東西に約1.7km、南北に約800mの綺麗な長方形になっています。景区のほぼ中央を西市河が流れており、これに沿ってメイン通りの「西柵大街」が東西に走っています。民宿は西柵大街沿いにいくつもあり、チェックインの際に割り当てられた番号の民宿を利用する仕組みになっています。私が割り当てられたのは、景区の中間点から少し西に行ったところにある「50A」の民宿でした。細かい数字は分かりませんが、かなりの数の民宿があるのが分かります。
◆鳥鎮西柵景区地図
景区内には多くの見どころが点在しており、水郷の景観を楽しみながら、これらを順番に見て行きました。
最初の桟橋を歩いていると、右手に大きな建物が見えました。鳥鎮の景観にはそぐわない近代的な建物ですが、「鳥鎮大戯院」といい、毎年10~11月に開催されるシアターフェスティバルのために建てられた劇場です。
◆鳥鎮大戯院(乌镇大剧院)
左手には景観の良い場所が見てきました。「元宝湖」と呼ばれる湖です。この時間帯は、Youtubeの動画で見たようなごった返すような観光客の姿はなく、比較的静かな雰囲気でした。天気の方は、午後から気温が大分高くなり、湿気も高く観光するには少し暑苦しい感じでした。
◆元宝湖
鮮やかな藍色の布がはためいている場所がありました。中国の歴史ドラマの決闘シーンなどで使われるような情景です。
絹の産地として有名な鳥鎮には、いくつもの染色工房がありました。この花柄の藍染は「藍印花布」といって、中国の伝統的な工芸品であり、地元で採れた草木などの天然染色を使っているそうです。この技術は、漢代に始まり宋、元代に発展し明、清代には繁栄を謳歌したようです。
◆草木本色染坊
奥の方には、黄色と赤色の布も展示されていました。
◆鳥鎮の景観
◆水上集市付近
西市河にはいくつもの橋が架かっており、とにかく橋の上からの景観が素晴らしく、いつまでも見ていられます。ガイドブックなどでも良く紹介されている景観でありますが、この目で直に見ると、遠路はるばる来た甲斐があったと感慨深くなります。
◆橋の上からの景観
メイン通りの西柵大街には、民宿のほかに、レストラン、小吃、お土産屋さんなど多くの店舗が並び、コンビニのファミリーマートが何店舗かありました。
◆西柵大街
西柵大街の中間地点からやや西に行ったところ、今晩宿泊する民宿近くに鳥鎮郵便局がありました。レンガとタイルによる重厚な洋風建築で、清代に開設されてから現在も営業を続けているそうです。
◆鳥鎮郵便局(乌镇邮局)
西大街の奥の方、西市河と望津河が直角に交差する地点には、2つの橋が架かっており、特に「通済橋」からの景観が印象に残っています。
西に見えるのが「文昌閣」、北に遠くに見えるのが「白蓮塔」です。考えることは皆さん同じで、ここは絶好の撮影スポットになっており、何度か足を運んだのですが、いつも大勢の観光客で賑わっていました。鳥鎮の建物を眺めていると、どことなく昔の日本の建物に似ているんですよね。勿論、技術的な細かい様式は違うんでしょうけど、ある時、ふと昔の日本にいるような感覚に陥ることがありました。
◆通済橋(通济桥)からの景観(文昌閣)
◆通済橋(通济桥)からの景観(白蓮塔)
◆仁済橋からの景観
通済橋を渡った先には、関帝廟や文昌閣といった見どころがありました。この辺りは、高低差のある建物が密集しており、これらを眺めながら歩いているだけで楽しい一帯でした。
関帝廟は、三国時代の関羽を祀る廟です。どこの都市に行ってもある建物で、中国における関羽の絶大な人気が分かります。
◆関帝廟(关帝庙)
◆文昌閣(文昌阁)
鳥鎮の一番西に架かっている「南塘橋」が一番立派で趣のある橋でした。
◆南塘橋(南塘桥)
西柵大街の最奥まで行った後は、先ほど見た白蓮塔の近くに行ってみました。
現在の白蓮塔は、7層構造で高さは51.75mあり、鳥鎮で最も高い建築物となっています。かつては金蓮塔院と呼ばれ、北宋の時代に建てられました。白蓮塔の名前は白い蓮の花に由来します。元々の塔の高さは約48mで、元代末に朱元璋と張士誠との戦争により破壊され、以後、再建しては破壊されることが繰り返されました。
◆白蓮塔(白莲塔)
白蓮塔の裏には京杭大運河が流れており、豊かな水をたたえています。
◆京杭大運河
ひと段落着いたので、暑くなってきたこともあり、近くのカフェで休憩しようと思ったのですが、入りたいと思えるような面白そうなお店が無く、結局西柵大街にあったコンビニに戻り、飲み物などを調達しました。コンビニの前には休憩スペースが設けられていたので、こちらで15時まで休憩して、民宿に向かいました。
鳥鎮民宿
各民宿には固有の名称があるようで、今晩宿泊するこちらの看板には「聚賢客棧」と書かれていました。
入口を入ったところに、隣にある受付に行くよう書かれていたので、指示されたまま行ってみたのですが、景区の入口でチェックイン済みの場合は不要だったようです。ちなみに、一般の観光客として入場した後でも、この窓口に来れば新規に宿泊の手続きをしてもらえるようです。
対応してくれたのは、私より若干年配の女性で、相変わらず、頑なに中国語しか話さないのですが、翻訳アプリなどを使いながら意思疎通はできました。各民宿は、家族単位で運営しているようで、こちらの民宿は、夫婦とどちらかのお母さんの3名体制で切り盛りしているようでした。
民宿にも何種類かあって、今回はその中でも一番安かったシングルルームを予約して、1泊朝食付きで約4,500円でした。オフシーズンだったのでこの料金で泊まれましたが、普段はもっと高くなると思います。
◆外観
朝食は3つのコースから選ぶことができました。主菜がワンタンか、麺か、チャーハンという大きな違いがあり、副菜も若干異なる構成となっていました。今回は主菜が麺料理のBを選択しました。
◆朝食メニュー
2階のシングルルームは、確かに広くはないのですが、1人で利用するには問題ありません。外観と同様に内装も伝統的な造りとなっており、天井なども雰囲気があります。窓からは西市河の景観を眺めることができたのも良い点です。階段は狭くて勾配があり、上り下りしているとギシギシと音が鳴るので、古い建物の中にいるのが実感できます。また、口コミにも書かれていますが、防音は無いのに等しく、隣の部屋や下の階の音が聞こえてくるので、音に神経質であれば避けた方が無難かもしれません。
◆シングルルーム
設備面ですが、冷蔵庫は無く、湯沸かしポットがありました。木製の机や、電話などは、部屋にマッチするように工夫が凝らされています。テレビは設置されていましたが、電源が入らず使い方も良く分かりませんでいた。Wi-Fiを使うためには、中国の電話番号によりSNS認証する必要がありました。アメニティは地元で作られた木製の櫛などが提供されていました。
◆デスク
バスルームについては、ビジネスホテルにあるようなユニットバスになっており、若干のチープさはありましたが、普通に使う分には問題ありませんでした。
◆バスルーム
朝食については全民宿共通のサービスとなっていますが、民宿によっては独自のメニューで夕食を提供していました。
景区内を散策(2回目)
ホテルの部屋でしばらく休憩後、再び景区内を散策しました。西市河の南側のエリアにも行ってみました。今度は西市河に沿って、西から東に向かって歩いて見ようと思います。
西柵大街の一番西にある仁済橋を渡った先は、望津河に沿った通り「絲作街(丝作街)」があり、こちらは、過度な観光地化がされてない印象で、あまり観光客の姿もなく、静かな雰囲気でした。こちらの方が古い建物がそのまま残っている印象で、個人的には気に入りました。
◆仁済橋南側の景観
しばらく歩くと、広場(诗田广场)のある場所に出ました。広場の周りにある建物は「益大絲号」と呼ばれる、1875年創業の絹織物の工房だそうです。こちらで織られる独特の手作りの綿は「鳥綿」と呼ばれ、四川の蜀綿と並び国内外で有名だそうです。
◆益大絲号(益大丝号)
◆工房の外観
◆工房の中
工房の東に進むと「鳥将軍廟」があったのですが、この時は、適当に散策していたので通り過ぎてしまいました。鳥鎮という名前の由来と言われている(諸説あり)、唐代の武将鳥賛(乌赞)を祀った建物です。廟の中には1本の古い銀杏の木があり、これは鳥賛将軍の化身とされています。
写真は廟の西側にある通り(廟西街)です。
◆廟西街(庙西街)
地図には特に何も記載されていない一帯の様子です。この周辺は人の気配が全くありませんでした。
◆鳥鎮南側の景観
中間地点付近に来ると、再び賑やかになってきました。「女紅街」という通りで、様々なお店が集まっています。ここからは西市河の対岸が良く見通せる場所にもなっています。今回利用させてもらった民宿もこの近くにあります。この辺りは、人気のある撮影スポットにもなっているようで、漢服を着ている若い女性の姿がありました。
◆女紅街
◆西市河の景観
西市河に架かる橋は、一つ一つが異なる形状となっていて、いずれも見ごたえがあります。
◆遷前橋(迁善桥)
鳥鎮の景区内にある最大級の庭園が「霊水居」です。2万㎡の面積を誇り、これほど大きな庭園のある古鎮は珍しいそうです。明代の進士唐龍(唐泷)により造園され、「灵水仙居」と名前が付けられたと記録が残っていますが、後の戦乱により破壊されてしまいました。現在の庭園は復元したものです。
◆霊水居(灵水居)
水上集市は、昔の水上マーケットの光景を再現した場所となっています。景区内の宿泊者はこちらで早朝のお茶のサービスを受けることができるようです。私がこの辺をウロウロしていたタイミングでは、伝統衣装を纏って踊りのパフォーマンスをしている最中でした。
◆水上集市
一番東側のエリアまで来ました。
「亦昌冶坊」は、100年の歴史を持つ沈家が代々営んできた鉄器の工房で、調理用の台所用品などが作られました。純粋な鋳鉄から作られ、何度も精錬され、手作業で磨き上げられます。熱伝導が良く、均一に加熱されるという特徴を持ち、地元の人々から深く愛用されたようです。館内の中庭には「天下第一鍋」と掲げられた巨大な鍋が展示されていました。
◆亦昌冶坊(えきしょうやぼう)の天下第一鍋(天下第一锅)
亦昌冶坊の隣には、「裕德堂」という建物があったのですが、地図アプリによると薬屋さんと表示されていました。
◆裕德堂
「叙昌醤園」は、清代に鳥鎮出身の陶叙昌が設立した醤油製造所です。鳥鎮で最も古い醤油製造所の一つで150年以上の歴史があります。こちらの製品はすべて伝統的な手作りの方法で製造されています。
◆叙昌醤園(叙昌酱园)
民宿に戻る前に、北側にも少し足を運んでみました。名前は分からなかったのですが、一面に黄色い花が咲いていました。
◆北側の景観
夜のライトアップを楽しむ
民宿に戻ると、他のお客さんもチェックインが済んだようで、大分賑やかになっていました。このまま、夕食を頼もうかと思ったのですが、既にテーブルが埋まっている状況でした。17時過ぎの早い時間帯なら余裕だと思っていたので、完全に誤算でした。そもそも、テーブルが少ないこともあり、予約しておくのが無難だったとは思うのですが、1人だと遠慮してしまうんですよね。
宿泊している他のお客さんも、皆さん外のレストランには行かず民宿で食べるつもりだったようで、いつ行ってもテーブルは満席状態で、結局こちらで頂くことは叶いませんでした。
部屋でしばらく休憩した後、再び散策に出かけました。鳥鎮は、夜のライトアップが人気の観光名所でもあります。日中回って景観の良かった場所を訪れてみました。
◆西柵大街
民宿から少し歩いたところに、沢山人が集まっている場所があったので近くに行ってみたところ、壁に大きく鳥鎮と書かれた記念撮影用の場所がありました。
◆記念撮影用の場所
中国の観光名所は大体どこもライトアップに力を入れているので、若干食傷気味になっていたのですが、鳥鎮のライトアップはさすがに一味違いました。日中に景観の良かった場所は、夜になっても相変わらず良く、絶好撮影ポイントである通済橋には多くの観光客が集まっていました。
◆通済橋(通济桥)からの景観
◆文昌閣(文昌阁)
南塘橋からは、端の方に文昌閣が見える良い景観となっています。ライティング自体も、ド派手な感じではなく、暖色と緑の落ち着きのある組み合わせとなっていて、鳥鎮独自の工夫が見られました。
◆南塘橋(南塘桥)からの景観
中間地点付近にある、アーチ橋の「定昇橋」も美しい景観となっています。
◆定昇橋(定升桥)
川面に映る白蓮塔も良かったです。
◆白蓮塔
西市河の南側にも行ってみました。相変わらず、こちらは人が少なく、というかほとんどおらず、不気味なほど静まり返っていました。
昼間の散策で、通り過ぎていた「昭明書院」の中も覗いてみました。書院の名前は、南朝時代の梁の太子蕭統が鳥鎮に学問の場を建てたことに由来するそうです。
◆昭明書院
































































































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