2025年3月12日(水) 10日目
早朝の烏鎮
今朝は5時過ぎには目が覚めました。辺りまだ暗く、窓から外を眺めると、予報通り小雨がパラついているのが見えました。意識して早く起きたわけではないのですが、ここから約1時間、夜明けと共に段々と明るくなる西市河の情景を楽しむことができました。
6時を過ぎた頃、大分明るくなってきたので早朝の散策に出かけました。民宿は良くも悪くも伝統的な建物なので、床にしろ階段にしろ、普通に歩くだけで音が鳴ってしまうんですよね。抜き足差し足で神経を使いながら階段を下りて外に出る必要がありました。1階の入口の扉を開けようとしたら、これがまたシブくて開かず、少し強めに押したところ今度は大きな音が鳴ってしまいました。こういう体験があるのも、民宿に泊まる醍醐味ではないでしょうかw
一般の観光客は10時過ぎからの入場となるため、この時間帯に歩き回れるのは宿泊客のみの特権となります。早朝の西柵大街は静まり返っており、雨により掃き清められた風情のある景観となっていました。どことなく日本の宿場町を想起させるような情緒的な風景にも見えました。
外にはもっと多くの観光客が出歩いていると思ったのですが、ほとんど見かけませんでした。雨の影響で、朝の散策を諦めている人が多いとしたら、この雨は私にとっては恵の雨になったのかもしれません。
◆西柵大街
◆烏鎮と書かれた壁面
◆鳥鎮郵便局(乌镇邮局)
ひとまず昨日歩いた中で一番印象に残っていた景観を見るべく通済橋に向かいます。こちらも全く人がおらず、絶好の撮影機会に恵まれました。
白蓮塔については、日中とあまり印象が変わりせんでしたが、西側の景観、文昌閣の方は全く人がいなかったので、昨日とは一味異なる景観をカメラに収めることができました。
◆通済橋(通济桥)からの景観(白蓮塔)
◆通済橋(通济桥)からの景観(文昌閣)
◆文昌閣(文昌阁)
◆南塘橋(南塘桥)
◆南塘橋からの景観
◆仁済橋からの景観
◆仁済橋南側の景観
昨日行きそびれた鳥将軍廟にも行ってみましたが、残念ながら入口の門が閉まっていました。今から考えると、この門は自力で開けることができたかもしれません。
◆鳥将軍廟(乌将军庙)
昨日、漢服を着た大勢の若い女性が集まっていた「女紅街」周辺も静かなものです。
◆女紅街周辺
雨足が少し強まってきたので、ここからは駆け足気味に散策しました。
アーチ橋の定昇橋付近には何名かの観光客が集まっていました。
◆定昇橋(定升桥)
最後は、西柵大街をゆっくり歩きながら民宿に戻りました。
◆西柵大街
鳥鎮民宿の朝食について
民宿に戻ってくるとちょうど7時を過ぎたあたりで、1階は明かりが点いていました。奥の台所スペースには、昨日チェックインの対応してくれた女性が朝食の準備をしていました。朝食は7時からで予約しておいたので、声を掛けたところ、「テーブルに座って待っていてくれ」と言ったように聞こえたので、表に移動します。
◆民宿1階の様子
民宿の表は、西市河に面した半屋外の食事スペースとなっており、テーブルは2組あり、西市河を眺めなら食事ができるようになっていました。
◆民宿表の食事スペース
◆西市河の景観
15分ほど休憩していると、料理が運ばれてきました。正直、朝食については何か口に入れられれば良いぐらいに考えていたのですが、本格的な地元の料理を頂くことができました。
主菜の「咸菜肉丝面」は日本語に直訳すると漬物豚肉麺になります。田舎の麺料理という印象で、スープは素朴で薄めの味付けとなっており、具材の漬物や細麺との相性も良く、美味しく完食できました。白の大きな点心「定胜糕」は、杭州の伝統的なお菓子だそうで、程よい甘さともちっとした食感が良かったです。これだけでも十分なんですが、その他、お粥や目玉焼き、揚げたベーコンスライス、漬物といった料理も提供され、頑張って完食したのでお腹いっぱいになりました。烏鎮の滞在を締めくくるうえで、満足度の高い食事を頂けたのですが、唯一不満点があって、コーヒーがとんでもない不味さだったことです。良く考えればこの内容でコーヒーをチョイスした自分が悪く、普通にお茶にしておけば良かったと反省しています。
◆朝食
最後の滞在先の上海へ
西柵景区内には12時まで滞在できたのですが、雨足が弱まる気配はなく、鳥鎮を十分堪能した気分にもなっていたので、予定より少し早めにチェックアウトしました。次は最後の滞在先となる上海に向かいます。
チェックアウトの流れが良く分かっていなかったのですが、民宿のホストの方にカードキーを返却するだけでOKのようです。言葉が通じなかったこともあり不安だったので、入口まで戻った後、念のためチェックインの手続きをしたカウンターにも行ってみましたが、特にこれ以上何もする必要はないと言われました。
昨日、景区入口前にあるバスターミナルから上海行きの長距離バスが運行していることが確認できたので、これを利用して移動するか逡巡していたのですが、既に高速鉄道を予約してしまっていたこともあり(キャンセル可能)、当初の計画通り市営バスを乗り継いで桐郷駅に向かいます。
■9:10 K350路バス乗車
まずはK350路のバスで鳥鎮バスターミナルで移動です。乗客は私1人のみ、約15分で到着です。次に、桐郷駅行きのバス(K282路)に乗り換えます。この時間帯だと30分に1本程度運行していました。ちなみに、K350路もK282路も料金はたったの2元(約45円)です。乗車時間にはかなりの差があるのですが、乗った距離に関わらず一律料金という分かりやすさと潔さが徹底されています。
◆K282路時刻表
■9:35 K282路出発
乗客は私を含め数人だけでした。今回乗ったバスは結構運転が荒くて、以前乗った西安のバスを思い出しました。ただ、以前から大きく変わった点は、バスの車両が電動になっていて、あのディーゼルエンジン特有の騒音は無く、車内は大変静かでした。桐郷市の中心部近くになると、地元のお客さんの乗り降りが頻繁に発生しました。
■10:45 桐郷駅到着
高速鉄道の乗車時刻までは、まだ2時間近くの余裕があったので、少し駅周辺をブラついてみました。桐郷駅は典型的な郊外の駅なので、特に見どころは無く、前方には高層ビルがいくつか見えるのみです。地図アプリによると、1つはホテルの建物のようですが、鳥鎮の観光目的で来るお客さんが利用するとは思えず、部屋数もかなり多いでしょうに、本当に商売が成り立っているのだろうかと不思議に思いました。
◆桐郷駅(桐乡站)
◆桐郷駅周辺の景観
駅前のスペースにはコンビニや小吃のお店があったので、少し覗いてみることにしました。「杭州华联」という名前のコンビニは思ったよりも品揃えが良く、杭州や鳥鎮のお土産も並んでいました。まだお土産の類を全く購入していなかったこともあり、手頃なサイズのお菓子があったので1つ購入しました。
◆杭州华联
桂花糕という、南京のホテルでも頂いた中国の伝統的なお菓子です。杭州ならではの龍井茶味となっています。具体的な金額は控えていなかったのですが、20元(約440円)前後だったかと思います。後日頂いた感想ですが、龍井茶の味はあまりしなかったものの、ケーキと和菓子を合わせたような柔らかい食感と程よい甘さで、誰にもオススメできるスタンダードなお菓子でした。
◆桂花糕(龍井茶味)
あと、地べたに無造作に置かれた籠の中に、ちまきが入っていたので、興味本位で買ってみました。このほか、パンや飲み物なども調達しました。
買い物が済んでやることも無くなったので、桐郷駅に向かいました。こちらでは、パスポートのチェックは無く、荷物検査のみで終わりました。プラットホームは2つしかなく、待合室もこれまで利用した中で一番こじんまりとしていました。ただし、お土産屋さんや食堂など、最低限度必要なお店は揃っていました。小さな駅とはいえ、上海や杭州へのアクセスが良いからでしょうか、列車が到着する時刻が近くなると、空いている席が埋まる程度には混雑しました。
12時近くになった頃、先ほど購入した「ちまき」やパンで軽めの昼食としました。ちまきは、日本で作られているものに近く、餡子がたっぷり入っていて美味しかったです。一緒に買ったコーヒーも甘く、さすがに糖分を摂取し過ぎた気がします。中国ではお茶にしろコーヒーにしろ甘いものばかりが並んでおり、無糖のものがなかなか買えないのが悩みどころです。
◆桐郷駅待合室
■12:30 改札
発車時刻予定の15分前に改札が始まりました。さすがに上海や杭州に比べると少なかったものの、乗客はそれなりに並んでいました。今回の旅行で最後の高速鉄道の利用となります。合わせて4回利用させて頂きましたが、全便ほぼ定刻運行で、中国の高速鉄道の正確さを体感しました。
■12:45 高速鉄道出発
今回乗車した列車は長沙南駅出発で上海虹橋駅が終着駅でした。車内は満席で、食べ物の匂いが充満していました。予約した席には見知らぬおじさんが座っていたのですが、私の姿を見ると大人しく席を立って自分の席に戻って行きました。
■13:15 上海虹橋駅到着
こちらの駅では全員が降りたこともあって、車内の通路は大混雑で、プラットホームに降りて出口に辿り着くまで時間が掛かりました。この後は、地下鉄2号線を利用してホテル最寄り駅の「人民広場駅」に移動します。高速鉄道から地下鉄への導線は分かりやすく、迷うことなく辿り着けました。これまでと同様に、券売機で乗車券を購入しました。料金は5元(約110円)でした。2号線は始発駅が1駅前なので、車内は空いており余裕で座れました。ここから人民広場までは距離があるので、約40分電車に揺られます。2号線は早くから営業を開始した路線なので、車両は若干古く、情報を表示するディスプレイの類も無いシンプルなものでした。列車が中心部に近づくにつれ、乗客も段々増え、人民広場駅近くに来ると、満員電車のようになりました。さすが上海地下鉄の主要路線だけあります。
■13:55 人民広場駅到着
事前に調べた通り、人民広場駅は広大で、うっかり出口を間違うと、大通りを渡る必要があったりと、相当な遠回りをする必要になるのが分かりました。1km近く歩いて、15番出口から地上に上がると、「西藏中路」という大通りに出ました。雨は小雨となっていましたが、気温は低く肌寒さを感じます。大通りには高層ビルが立ち並び、大都会の上海に来たことを実感します。上空は厚い雲に覆われており、ビルの上層部が見えません。
◆西藏中路
友裏ホテル(上海人民廣場)
■14:05 友裏ホテル到着
上海では1泊のみの滞在となります。今晩お世話になるのが、人民広場近くにある「友裏ホテル(上海人民廣場)」です。地下鉄の人民広場駅の15番出口からは500mぐらいです。ただし、先述した通り、15番出口から2号線のプラットホームまではさらに1km近くあるので注意が必要です。同じく500mの距離にある「大世界駅」から14号線を利用すると、観光名所の「豫園」に1駅で移動できます。夜景で有名な「外灘」までは約1.5kmと、一応徒歩圏ではあります。
ホテルの隣にはコンビニ(ファミリーマート)、通りの向かいには中華料理の食堂がありました。
チェックインの対応してくれた若い男性スタッフは親切で、積極的に英語による会話を試みてくれました。外国人のお客さんが多く、特に欧米からの観光客が利用しているように見受けられました。
◆ホテル外観
今回予約したのは、一番安かった窓無しのダブルルームで、朝食1名分が付いて約9,500円です。上海のホテルは、他の都市に比べると価格設定が高く、立地の良いホテルとなると、どこも1万以上はする中、何とかこの金額で予約できました。
部屋は落ち着きのあるモダンな内装で、1人で使うには十分な広さでした。
◆ダブルルーム
部屋の一角には長いソファと机が置いてあり、休憩したり食事をするのに便利でした。冷蔵庫は無く、湯沸かしポットはありました。ミネラルウォーターは2本、ドリップコーヒーとお茶のサービスがありました。Wi-Fiは中国の電話番号によるSNS認証が必要でした。
◆休憩スペース
トイレは、今回の旅行で初めてウォシュレット付きでした。日本ではもう当たり前となった設備ですが、中国でも普及は進んでいて、高級ホテルにはかなりの確率で設置されていると聞いていたのですが、実際にこの目で見たのは初めてです。
◆トイレ
シャワールームはトイレと区切られていたので、使い勝手が良かったです。
◆シャワールーム
上海博物館
上海での観光に許された時間は、実質これから数時間のみ、急ぎ足で最初の目的地である上海博物館に向かいます。雨はほぼ止んだので良かったのですが、気温は上がらず、かなりの肌寒さを感じます。
上海博物館は人民広場という広大な公園内にあり、ホテルからは徒歩で数分です。先ほど歩いた大通りの西藏中路を渡る必要があるのですが、横断歩行橋があるので最短距離での移動が可能です。
南北に走る西藏中路と東西に伸びる延安東路、延安高架路が交わる巨大な交差点となっており、間近で見ると、この巨大な構造物には驚くばかりで、何に対しても大きくするのが好きな共産圏の国らしさ、中国らしさを感じます。上海は歴史という観点からは全く面白さがないのですが、他の都市では見ることができない高層ビル群や、巨大な構造物など、上海ならではの面白さがあるのが分かってきました。
◆横断歩行橋
◆横断歩道橋からの景観
横断歩道橋には昇降用のエレベーターがあり、普段であれば使わないのですが、今日はこの後、それなりの距離を歩くことが予想されたので、体力温存のために利用しました。
横断歩道橋を渡るとすぐ人民広場となります。人民広場についても、ゆっくり散策したい気分ではあったのですが、時間がないので真っすぐ博物館に向かいます。
■15:10 上海博物館到着
博物館の外観は、「天円地方」という、古代からの中国の世界観、宇宙観を表しています。
◆上海博物館外観
上海博物館は、中国の三大博物館の一つに数えられます。開館以来、紀元前から20世紀初頭にいたるまでの約30分野、およそ100万点もの文化財を所蔵しています。中国古代の青銅器や彫刻、書画などの名品が展示されており、大変人気のある博物館となっています。
上海博物館は事前の予約が必須なので、1週間前に済ませておきました。時間帯もいくつかに区切られていたので、15時からにしておきました。ミニプログラムの出来が良く、特に躓くことも無く予約ができました。外国の電話番号でもOKです。
通常はQRコードによるセルフ入場で、以前は外国人も同じように入れたようですが、このタイミングではQRコードが発行されず、個別対応になっているようでした。入口にいたスタッフに外国人である旨を伝え、スマートフォンの予約画面とパスポートを提示して、身分確認が終わると、手動によりゲートを開けてもらえました。多くの外国人観光客が訪問しているようで、スタッフは手慣れており、スムーズに手続きが終わりました。
博物館は4階建てで、中央は吹き抜けとなっており、エスカレーターもしくはエレベーターにより移動します。館内は噂に聞いていたほど混雑していなくて、この時期だとこの程度なんだろうかと疑問に感じましたが、この後理由が判明します。
◆中央の吹き抜け
上海の観光については下調べに力を入れておらず、こちらの博物館についても予備知識ゼロの状況だったので、ひとまず1階にあったインフォメーションを確認して、どこから見学しようか眺めていたところ、地球の歩き方でオススメされていた目ぼしい展示コーナーが軒並みクローズ状態でした。上海博物館はこちらの人民広場と、オープンしたばかりの東館があり、多くの所蔵品が東館に移転してしまったようです。どうりで予約も取りやすかったし、混雑もしていなかったのだと納得しました。今から東館に行く時間的な余裕は無ないので(予約は不要のようです)、今回は縁が無かったと諦め、ひとまず展示されているものだけ見て、次の目的地に向かいたいと思います。
◆インフォメーション
◆1階中央に展示されていた作品
全般的に、展示内容は今一つ迫力に欠けていましたが、一番見応えがあったのが、「マルコ・ポーロから見た中国の世界」と題した特別展です。
◆特別展入口
こちらの特別展では、イタリアや中国の博物館から、マルコ・ポーロが生きた大航海時代(1254年頃~1324年)に関連する文化的遺物が持ち込まれて展示されていました。
◆水壺(1525年)
◆水壺(16世紀)
◆儀式十字架
◆アレキサンダー像(1500年)
◆古船模型
◆タイトル不明
◆使者献果像(1271~1368年)
◆タイトル不明
◆古船模型
4階には3つの常設展があり、少数民族の工芸品、中国玉器、そして明代と清代の家具の展示となります。
◆少数民族の工芸品
中国玉器の展示では、清王朝の最盛期だった乾隆帝の時代のものが多く展示されており、見栄えのする絢爛豪華な品々が並んでいました。何かと派手好きだったとされる乾隆帝の人となりが垣間見れた気がします。
◆中国玉器
◆明代と清代の家具
豫園
地下鉄14号線で豫園へ
博物館での滞在は1時間弱で切上げ、上海の観光名所として最も良く知られている、江南様式の庭園「豫園」に向かいます。厳密に言うと、今日は豫園の観光はせず、その周辺に広がる商業地域である「豫園商城」に行くのが目的となります。
豫園への移動は地下鉄の14号線を利用します。人民広場から来た道を戻り、横断歩道橋を使って南側に渡ろうとしたところ、途中でレトロ感のある建物が目に入りました。「大世界」という字面もインパクトがあります。この時は、写真だけ撮影して地下鉄駅の方に向かってしまったのですが、後から調べたところ、なかなか面白い建物であることが分かりました。
この建物は、戦前の1917年に建てられた娯楽スポットで、演劇や曲芸などのショーが楽しめる社交の場として発展し、戦争、文革を経て、80年代には子供向けの屋内遊園地としてリニューアルしたそうです。その後、2003年には閉鎖されてしまいますが、100周年となる2017年には再度、観光施設としてリニューアルオープンしたんだそうです。
◆大世界
横断歩道橋から降りて間もなくすると「大世界駅」です。大世界駅から14号線に乗車し、1駅で「豫園駅」に到着です。14号線はまだ出来たばかりの新しい路線のようで、プラットホームも車両も新しく、ハイテク技術が遺憾なく使われていました。この時間帯だからなのか分かりませんが、2号線に乗った時に比べると乗客は少なく、運行も10分に1本程度となっていました。
豫園駅の7番出口から地上に上がると、豫園商城の北側にある交差点近くに出ます。「豫园旅游商城」と書かれた牌楼がすぐ見えました。その先からは歩行者天国となっており、観光客の姿も見えてきました。
◆豫园旅游商城と書かれた牌楼
南翔饅頭店
今日は豫園商城にある「南翔饅頭店」に来るのが一番の目的でした。上海で小籠包と言えば随一の知名度を誇る老舗であり、地球の歩き方など多くの媒体で紹介されています。土日や食事の時間帯は大変混雑しているという情報を見たので、夕ご飯には少し早いこの時間帯に来てみました。
牌楼から少し歩くと、お店はすぐ見つかりました。1階がテイクアウト専用、2階と3階がレストランになっています。入口に入って、細長いフロアを進むと階段があったので上がります。事前に確認した情報では、2階と3階ではメニューが異なり、3階が高級店になっていると確認していたのですが、現在はどちらも同じ料理を提供していると書いてありました。とりあえず空いていそうな3階に行ってみました。
◆南翔饅頭店
期待通り、店内は比較的空いており、待ち時間無く座ることができました。
◆3階の様子
メニューは一応置かれていましたが、実際の注文はQRコードからミニプログラムを起動して、注文から決済まで行う中国ではお馴染みの流れとなっていました。
まず小籠包はいくつか種類があるのですが、オススメのマークがついていた蟹肉入りの小籠包(招牌蟹黄鲜肉小笼)を選びました。6個で72元(約1,600円)と、なかなか良い値段がします。ちなみに、もう少し安い普通の小籠包もあります。あとは、1品料理からホタテの貝柱スープと、豚スペアリブの豆鼓蒸しを選び、飲み物は龍井茶(ポット)を注文しました。料金は順番に38元、42元、58元で、これに先の小籠包も合わせると210元(約4,600円)にもなってしまいました。
決済が完了すると、スタッフが注文票を持ってきて、小籠包は15分ぐらい時間がかかると説明がありました。間もなくすると、龍井茶がポットに入って運ばれてきました。小説家の司馬遼太郎さんの「街道を行く 中国・江南のみち」で読んで知ったのですが、龍井茶にはピンからキリまであり、茶畑の場所、葉っぱを摘み取る時期により相当な差が出ると解説されていました。要は、外国から旅行に来たド素人が本当に良いお茶を探し当てるのは難しいという話で、無駄金を使うのも嫌だったので、杭州でも無理して龍井茶を購入するようなことは控えていました。メニューには一応一級と書いてありましたが、おそらく一級の中にも大きな差があるんだと思います。ただ、一回ぐらいは飲んでみても良いだろうとは思っていたので、良い機会だったので頼んでみました。早速、頂いて見ましたが、とにかくスッキリとした飲み口が印象に残っています。ほんのりとして甘みもあり、日本でも美味しいとされるお茶を飲んだことはありますが、あれらとはまた違う上品な飲み物になっていました。
次にホタテの貝柱スープと豚スペアリブの豆鼓蒸しが運ばれてきました。スープは濃厚ながらも上品な味付けになっており、万人向けの美味しさがありました。スペアリブの方は通常のものとは異なる大変柔らかい食感で、豆鼓というのは大豆を発酵したものらしいのですが、これとの相性が良く、日本では味わったことのない面白い食べ物でした。ネット上の評判によると、一品料理は特筆すべきものは無いと評価されていたのを見ていたのですが、個人的には十分満足です。しばらくすると、いよいよ小籠包が運ばれてきました。この手の小籠包はむやみに破ると肉汁が溢れ出てしまうと聞いていたので、作法通りにレンゲに乗せてから注意深く口に入れました。皮は薄いながらも破れにくくできていました。ただし、皮を破いて出てきたのは、熱々の肉汁ではなく、少し暖かい程度で苦も無く口に入れることができました。スープが大変上等で、これだけで十分美味しさが伝わりましたが、これに蟹の風味が口の中に広がり、バランス加減が絶妙でした。ただ、何というか、感激するような美味しさだったかと言えばそうでもなく、台湾の有名店「鼎泰豊」で小籠包を食べた時の方がシンプルに感激したような記憶があります。
◆龙井茶(ポット)
◆蟹肉入り小籠包(招牌蟹黄鲜肉小笼)
◆ホタテの貝柱スープ(南翔豫园干贝金丝)
◆豚スペアリブの豆鼓蒸し(豆豉蒸排骨(份))
豫園商城
お腹も満たされましたので、お店を出た後は豫園商城を散策しました。辺りは大分暗くなってきたので、明かりが灯った建物の景観が一層映えてきました。
◆南翔饅頭店
◆挹秀楼
豫園に行く途中にある、ギザギザに曲がった橋である「九曲橋」の周辺には大勢の観光客が集まっていました。欧米からの観光客の姿も目立ちます。
◆九曲橋(九曲桥)
少し南に歩くと、中心広場と呼ばれるスペースがあり、周囲は城郭のような壮観な建物に囲まれていました。
◆華宝楼(华宝楼)
◆凝暉閣(凝晖阁)
中心広場の近くに、「稻香村」というお店が目に止まったので入ってみました。清王朝の乾隆帝の時代に創設された、糕点業界で最も歴史のある企業の一つだそうです。
並んでいるお菓子は見たことがないタイプのものばかりで、どれも美味しそうに見えました。どれを買うか結構迷ったのですが、「花酥」という中国の伝統的なお菓子を購入しました。店員さんの対応は親切で、言葉は通じなかったのですが翻訳アプリで疎通が取れました。花酥にも、いくつかの種類があり、オススメしてもらった「草莓雪花酥」と「抹茶雪花酥」にしました。前者が苺味、後者が抹茶味です。見るからにお高そうなお菓子ですが、0.5kg当たり88元(約2,000円)と、量を考えれば十分許容できる値段だと思います。
◆稻香村
◆花酥
写真のように、上等なパッケージに入れてくれました。正方形の塊が1個ずつ入っています。料金は合わせて58.4元(約1,300円)でした。料金から逆算すると約340gになります。支払いはアリペイで済ませましたが、現金で払っている外国人のお客さんもいました。この旅行で初めてみた光景だったので新鮮でした。
◆パッケージ
後日、小さく切って頂いてみました。表面がツルツルして硬かったので、飴状のペーストを固めたようなお菓子なのかと思ったのですが、中はクッキーのような食感と程よい甘さがあり、ココナッツやドライフルーツとの相性も良く、和菓子とはまだ違う面白さがありました。最初は抹茶味の方が美味しいと感じたのですが、食べ慣れてくると苺のドライフルーツの味も段々好きになってきました。変なクセも無く、誰にでもお勧めできるお菓子かと思います。
◆草莓雪花酥と抹茶雪花酥
お菓子を買った後は、北の方にも行ってみました。黄金広場にある「景容楼」は、文字通り絢爛豪華な黄金の建物で、夜のライトアップも相まって大変インパクトがありました。ド派手さもここまで突き抜けると、神々しささえ感じてきます。
◆景容楼
◆九獅楼(九狮楼)
最後はお土産屋さんなどが並ぶ「豫園老街」を通って北側に抜けました。
◆豫園老街(豫园老街)
外灘
辺りも暗くなってきたので、ここからは歩いて「外灘」に向かい、上海で一番見たいと思っていた夜景を楽しみたいと思います。外灘は、黄浦江の西側を走る中山東一路沿い、約1.5kmのエリアです。このエリアは、19世紀後半から20世紀前半にかけての租界地区であり、当時に建設された西洋式の高層建築が並んでいます。英語名では、人口の土手や堤防を意味するバンド(The Bund)と呼ばれていました。
豫園から外灘までの直線距離は1kmもないのですが、途中に何本かの大通りが立ちはだかるので、見た目ほど移動は簡単ではありません。地図アプリを頼りに、人民路、永安路、金陵東路の順に歩いて何とか外灘の最南端に位置する「上海輪渡」という渡し船の乗り場前に到着しました。途中、帰宅途中の電動バイクが行き交う場所などもあり、歩いていて危ない箇所もありました。上海輪渡は外灘と浦東を結ぶ渡し船で、片道2元(約45円)で利用することができます。
すぐ近くには、塔のような細長い建物が立っていたのですが、これは「外灘信号台」といい、高さは約50mで、かつては信号機を掲げて黄浦江を航行する船舶に気象情報を伝達したそうです。
◆外灘信号台
気温は一段と下がり、かなり肌寒くなってきました。このタイミングでちょうど6時を知らせる鐘が鳴り、辺り一面はライトアップに包まれました。景観が一気に変わった瞬間であり、意識してこの時間に合わせて来たわけではなかったこともあって、驚きと同時に感動もひとしおでした。
黄浦江沿いには広い遊歩道が整備されており、目の前には壮観な景観が広がります。豫園も良かったんですが、外灘のライトアップは別格に凄かったと思います。正直、これに比べると南京や杭州のライトアップは完全に見劣りします。世界中から大勢の外国人観光客がこの夜景を見るためにやって来る理由が分かったような気がします。
◆外灘の遊歩道
黄浦江を見渡すと、前方の高層ビルの上層はもやに包まれており、全体を見ることはできませんでしたが、逆にこれが幻想的な未来都市のような景観になっており、これはこれでOKでした。
◆黄浦江の夜景
外灘の建物は、正式の名称以外に、住所から取った外灘1号や2号といった呼び名があります。
◆外灘の建築群
歩き疲れたのと、寒さもあって、じっくり全部の建物を見たわけではないのですが、個人的には、「香港上海銀行ビル(外灘12号)」と「江海関(外灘13号)」の建物が並んだ付近の景観が大変美しかったので印象に残っています。写真の左側の建物が香港上海銀行ビル、右側が江海関です。
◆香港上海銀行ビルと江海関
◆外灘の景観
上海の有名な繁華街である「南京東路」と外灘が交差する場所は、「陳毅広場」となっており、周辺は大変な賑わいを見せていました。「陳毅」は上海の初代市長だった人物だそうです。
◆外灘情人壁(外滩情人墙)
◆陳毅の像(陈毅塑像)
ここまでで外灘の南端から全体の約3分の2歩いたことになります。北側にはまだ残りがあったのですが、体力的にも厳しくなってきたので、ここで終わりとし、中山東一路を渡って南京東路を歩きながらホテルに戻りました。腰も大分疲れていましたが、最後だったので気合で歩きました。
◆南京東路










































































































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